Contents
選手コースは続けたいがココでは無理だ
イイコ、イイコされながら泳いでいた本科から、育成コースや選手コースという厳しい指導を受けながらの練習を続けるにあたって、やはりスイミングクラブの移籍、ということは誰しもが何度となく考えることのようです。
実際、以前の私は、わが子の性格面(闘争心低目、弱気など…)ばかり問題視して、選手コースでも出られない子がいる試合に育成コースながら参加しているわが子の頑張りを評価していないように見えるコーチ陣をみて「この子の何がそんなに気に食わんのじゃい!!」と、本人そっちのけで「もうこんなとこ辞めたる!!」くらいの気持ちになっていました。
「選手コースは続けたいがココでは無理だ」
そう感じる理由はさまざま。そして、その移籍が成功するのか否か、これもまたさまざまのようです。ちなみに、本科から育成コースへの自薦はあまり見たことがないのですが、選手コースにまで進んだ子なら、他のスイミングクラブに行って見学や移籍の相談ができるみたいです。
ケース1 頼りにしていたコーチが辞めるので
体面を考えると一番カッコイイ(?)理由ですね。自分のS1(専門種目)を指導してくれていたコーチが転職するから、という話だったと思います。
でも、移籍先は電車でかなりの時間かかるところ。水泳に全て振り切っているので出来ること。覚悟もハンパないです。
ケース2 記録が伸びない
正直、この理由が移籍するにあたって、正解なのか不正解なのか、一番迷う理由でしょうね。
コーチのせいにするのもどうか?という意見と、いやいやコーチの指導力は大きく影響するでしょ、という意見のせめぎあいです。
私は本科で大ブレーキかかった時に「でも、このコーチに教えられて合格している子もいるし…」と考えすぎて何の対処もせず、結果的にわが子のモチベーション下げてしまった経験があるので「コーチの指導がハマっていない」と感じるものがあれば考えてもいいんじゃないかな、と思います。
とはいえ、実際に「いやいや、そもそもそんな大した記録と違うやん」という子が親の経済力頼りでいろんなスイミングクラブを行ったり来たりしているのも見かけます。小さいころはすごかったのかもしれない。だから、自分の可能性を諦めたくないというところでしょうか。記録はいつ伸びるかわからないのもまた一つの事実、気持ちはよくわかります。
「よく、いまの泳ぎ方でここまでやってこれたね」
平井(伯昌)先生から、初めて直接かけられた言葉でした。その一言で、背泳ぎの泳ぎ方も考え方も含めて、いまのままではいけないということは理解できました。でも、何がいけないのか、どうすればいいのかはわかりませんでした。
私が平井先生の指導を受けたいと思ったのは、2008年春の北京五輪代表選考会が終わって数カ月後。私は五輪に出ることができなかったものの、なんとか前に進もうと必死でした。北京五輪で金メダルを獲った北島康介さんをはじめ、世界で勝てる選手を育ててらっしゃる先生に、どうしても見ていただきたいという思いが募りました。
出典:【特別編】競泳人生を輝かせてくれた平井先生へ 寺川綾
引用は、寺川綾さんが北京五輪の切符を逃し、平井伯昌コーチの指導を仰ぐべく初めてその門をたたいた時のことを書いた記事の序盤です。
余談ですが、水泳選手って尊敬しているコーチのことは「先生」と呼ぶ方が多いですね。
ともかく、寺川選手ほどのトップスイマーでもコーチが代われば伸びしろはまだまだ出てくる、という驚きの証明です。
事実、北京を逃し、周りからも終わった選手かのような評価を受けた寺川選手は次のロンドン五輪で銅メダルに返り咲くのですから。
ケース3 コーチにハマっていない
ケース2と似ているようで本質的に違う理由がこのケース。指導方法、人となり、総合的にコーチと合わないのがこちら。
わが子がいつか選手コースに移れることがあって、さらにスイミングクラブを移籍するとしたら、おそらくこれかもしれない。
とにかく、気分屋でえこひいきがひどいので、激高して頭をはたいたり、長時間立たせたり、帰れ!と怒鳴ったり、帰ろうとすると怒ったり、見ていて正直「このまま育成コースでもいいな…」と思ってしまうくらい。
厳しく叱られることがある事も理解はできます。育成コースのコーチも言葉や指導内容、要求がキツいコーチもいるし、そんなコーチの担当日には人が少ない…なんてこともあります。わが子もわりとボロカス言われていますが、練習が終われば切り替えてらしてわが子と談笑していたりします。
叱られるのは、選手側に原因があるのでしょう。真面目に練習しなかったり、頑張りが足りずに成果が思うように出なかったり。
だとしても、理解できないのが、立たせたりして練習を放棄させているところ。他の選手の迷惑、ということなのかもしれませんが、立たせれば速くなるのか?さらに言えば、お気に入りの選手がいくら遅くても同じことをしているところを見たことがない。それも選手の個々に寄り添った指導、なのかな??
泳ぎを撮影してフォームを検証するとか、分析するとか、ないものか。…ないのでしょうね、弱小だから。だから弱小なのか。
番外編 移籍をしない理由
- 水泳にそこまで賭けていない
- 距離、練習回数、時間帯等が通いやすい
なんやかんやと文句を言いながら、移籍をしないのは、水泳にステータス全振りしている子ばかりではないから。ピアノもするし、進学校に合格するべく塾にも通う。部活もしている。そんな子たちには、やはり弱小スイミングクラブならではの「休みやすさ」がニーズにフィットしているのです。
私も「もう移籍じゃ~~!!」ととある名門スイミングクラブを調べたら、平日朝5:00から練習でした。起きた時、下手したら朝刊届いていないんじゃ??
というわけで、私の意見は「水泳にステータス全振りしているなら、移籍はアリ!」です。そこまで水泳には賭けられないわ…という人も、自分の生活に合うスイミングクラブが見つかれば検討すべきなのでは、と考えます。結局言ってもスイミングクラブとて月会費とってる商売なので「戻りたい」と言えばあっさり出戻り、とかもあるみたいです。いや、スゴイ強豪クラブは知りませんよ?悪しからず。
2018/10/14 追記
この投稿から約半年後、わが子が移籍することになりました。
当初、私の意見は「水泳にステータス全振りしているなら、移籍はアリ!」
でしたが、前言撤回。ステータス全振りしていなくても同じようにマイペースに選手コースで泳げるスイミングスクールはいくらでもあります。要は通えるところなのかどうかだけで。
あと、「一度辞めちゃったら戻れないし…」という心配もケースバイケースだと知りました。
もちろん、どこのスイミングスクールでも受け入れてくれるわけではないでしょうが、以前のスイミングスクールには出戻り選手がわりと多くいるそうで、選手出身のコーチから「一時期、別のスイミングスクールにいたんですよ」とあっさりカミングアウトされたりして。
だから、そんな悲愴な気持ちで泳がずとも気軽によそも見てくる気持ちで出ればいいですよ、と言われました。
結局は選手コースも「お客様」ですから、よほどな辞め方でない限りは、礼儀さえ通せば応相談の世界なのではないでしょうか。いや、保証はまったくしませんけど。