子供同士のトラブルへの介入

選手コースでの子供同士のトラブルにどのくらい関わるか?

気心の知れた仲間同士の練習でも、そこは競技。本気で取り組むがゆえにトラブルに…なんてこともままあることでしょう。

練習に関係のない、その子の人となりからトラブルになることもありますが、その辺はスイミングスクールでなくとも起こりうること。今回は練習がらみのトラブルについて…。

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トラブル解決のための手段

トラブルの大小もあって一概には言えませんが、理想はコーチ立会いの下で子供同士で解決、だと思っています。

練習にかかわることで親が絡んで良い方向に転ずることなんてまずないのでは?練習において、親は完全に外野です。

私は、練習中にトラブルがあったとして、子供が親である私に相談してきたら、そのまま相談されたことをコーチにお伝えすることにしようと思っています。

相手の保護者さんを存じ上げていても、コーチに相談するその日、その親御さんと顔を合わせるとしても、そうすると思います。

基本的に親の立場は子と同じであるため、トラブルの相手の子と対峙したときに子供同様当事者の立ち位置、ニュートラルな立場ではありません。誰が見ても過失割合10:0で、それを第三者が証明してくれない限りは、保護者間で苦情の申し入れなどしたところで、ただ代理戦争の様相を呈するだけです。

どこかで「嘘」があったときが一番困る

なぜか?

人間関係のトラブルに誰の目にも明らかな10:0の過失割合なんてめったにあるものではないからです。苦情の申立人が自分の落ち度をないことにして一方的に言い分を通そうとしてこられて、それを表明するかどうかは別として、ひとつの不満もなく受け入れられる人はなかなかいないでしょう。

あなたと相性の悪いAさんも、Bさんとなら仲良くできる。Aさんにももちろん落ち度はあるものの、Aさんもあなたの態度に不満があって、それがあなたにとって気に食わない態度をとる原因かもしれないし、Bさんにとっては許容の範囲内だからかもしれない。

誰かが全面的に悪い、なんていうことはそうそうあることではありません。

それに、自分にも落ち度があると、相談するにあたって、自分に有利に働くように脚色したり、隠したり、一部を嘘でごまかしたりすることがあります。落ち度を責められて、嘘をつくこともあるでしょう。子供であれば、なおさらわかりやすい嘘やごまかしを重ねるものです。そして、それが新たなトラブルを生みます。

水泳

こんなケース

調子を落としていて練習中に邪魔になってしまった子の親に対して、調子を落としているのに順番を代わってもらえなかったのでこういうときは泳ぐ順番に注意して、と丁寧ではあったものの、苦情を申し入れた方がいました。

当然、迷惑をかけたほうは故意でなくても謝るべきで、その親もそうすべきと思いました。ただ、謝る前に本人からも聞き取りをすると、たしかに邪魔になってしまったが、順番を下げたいと申し入れても逆に聞き入れられず、調子が悪いまま順番を維持するしかなかった、と言いました。この子が嘘を言っている可能性もある。そう思った親は「今言ったことをそのまま相手に伝えていいか?」と聞きました。子供は「かまわない」と答えました。嘘をついている場合、一般的な反応であれば、ここで子供は怯むはずです。それがなかった、迷惑をかけたことは謝罪する、それに付随するエピソードについては、子供の名誉のために謝罪を拒否する、と親は決めました。

こういう場合、謝れる部分と受け入れられない部分が出てきます。練習中のタイトな時間、見ていた第三者を探して検証することも難しい。承服できない部分も含めて謝ってしまえば、それはそれで問題解決です。でも、していないことまで謝った親を見て、そのお子さんはどう思うでしょうね。私は、親子の信頼関係を危ういものにしてまで、事なかれ主義に徹する必要があるのか、と思います。大人ではないのかもしれませんが。

謝る部分と謝れない部分を分けられたら、きっと相手は「うちの子供が嘘をついているとでも言うの?」という練習の邪魔をされたこととは別の不満が増えてしまうでしょう。もう一方の親だって「あちらの子が、積極的に前に出なかったことを親に責められて苦し紛れの嘘をついたがためにこんな目に遭ってしまった」と不満を抱くこともないでしょう。

何度も言いますが、こんな場面で第三者を見つけ出せることは稀です。そうなれば、お互いがお互いの子を信用するしかない代理戦争の勃発です。

でも、コーチと当事者二人での話し合いなら、その場面を思い出してこのやり取りを目撃していそうな子を探せるかもしれないし、トラブルの根幹はそういう言った言わないではなくて、今後こういう場面になったらこうしましょう、という建設的な解決が重要であると冷静に判断できるはずです。

二組の親子も時間や神経の無駄遣いをせずに済んだにちがいない。

こういう時、低学年のお子さんでも同じく、コーチに委ねればいいと思います。

コーチに余計なお手間をかけたくない、と気遣う親御さんもいるかもしれませんが、選手間・保護者間で火種を抱えた雰囲気の悪い環境を生めば、他の選手にも影響する可能性は大いにあります。義憤に駆られる正義感の強い子だっているでしょう。そうなるとここだけのトラブルの話では済まなくなります。そんなことになるなら、コーチだって仲裁役を買って出るほうがよほどましだと思う方は多いと思います。

どんなに距離が縮まったと思っても、お礼や誉め言葉以外は親御さん同士でやり取りしないことがベストです。

何度も言いますが、10:0の過失割合はまずありません。過失割合0の自分の主張なのだから誠実に話せば受け入れられる、という発想がまず思い上がりであることを胸に刻みながら残り少ない(だろう)選手の親生活を過ごしていこうと思うのでありました。

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コメント

  1. さい より:

    今まさに娘がスイミングスクールで嫌がらせを受けており、コーチに相談か相手に直談判かで悩んでここに辿り着きました。記事を読んで頭を冷やせました。
    ありがとうござますm(_ _)m

    • magu より:

      さい様
      コメントありがとうございます!
      自分ではなく、お子様のトラブルなので余計にやきもきしてしまいますよね…。
      早期解決となりますようお祈りしております。