知りたいのは本当に素質があるかどうかですか?
わが子が水泳を競技として始めて2年と少し…始めた時から比べるとなんと成長したことか…でも、そういう昔のことを忘れて、ついついコンマ数秒の上がった下がったに一喜一憂してしまうんですよね~。
でも、タイムが伸びずにイライラする、という境地は脱したかもしれないです。いや。いやいや。今後もそうかは約束できないですけど!
表面上だけかもしれませんが、全国レベルの子の親御さんって悠然としておられる。意外とスイミングスクール内では速い方、くらいの方の方がピリピリしている印象を抱くことが多いです。
やっぱり子供さんに素質があると、気持ちにも余裕ができるんでしょうかね?
では、その素質って何?というのを考えてみたのですが、知りたいのは本当に素質があるかどうか?ですか?
かくいう私も、「わが子をこの道(ココで言えば水泳)一本で進めていいのか?見切りをつけた方がいいのか?」を悩みながらスイミングスクールに通わせています。辞めたいと言わないので続けていますが、今度「辞めたい」と言ってきた時に励ますべきか、受け入れるべきか?
見込みがあるなら続けさせたいけど、これ以上は見込めないなら勉強なり、他の習い事なりにシフトしないといけない。でも良く考えると、それって素質が知りたいことに繋がりますかね?
水泳選手の素質ってなんでしょね…
とはいえ、素質についてまず考えてみました。
つい最近入ってきたのにグングン伸びてくる子や、わりと古株らしいのにあっという間に新人に追いつき追い越されしまった子、小学校低学年のうちから速い子や、中学校になってから伸びてくる子など、ひとくくりに「選手コース」「育成コース」と言っても子供の数だけパターンがあるかのような…単純にパターン化しにくいですが、「水泳選手の素質ってこう!」「こういう子は伸びる!」って明文化してほしい気持ちもわかります。
一番速い子=素質がある子とは限らない
安定の話の脱線失礼します。知り合いのご兄弟の話です。
ある年、弟さんは甲子園出場のチャンスを逃がし、兄に「本当のエースが出ていれば、こんな結果にはならなかった」と泣いたそうです。
でも、試合に出ていたのはエースナンバーの投手。つまり、もともとエースピッチャーとしてメンバー入りしていた選手が誰かしらかのプレッシャー(いじめ)によって潰されたということを示唆していたそうです。
水泳は個人競技ですし、先の高校球児のような潰し方をする意味はない。
万が一、して意味があるとすれば、オリンピックや世界大会などの「標準記録を突破」かつ「上位2名」という人数制限がある時くらいでしょうけれど、自分が標準記録を突破しなければ意味がないので、バレた時のリスクの方が大きい気がしますね。そもそも、そのレベルに達することのほうが難しい!
なにが言いたいかっていうと、「辞めちゃったらいくら速くても意味ないよ」ってことです。
いじめやパワハラで辞める子も、もちろんいますが自分で自分の才能に見切りをつける子もいる。それに、努力すれば必ずいつか花開くという保証があるなら頑張れるけど、現実はそうではないですから。私やその他の親御さんが続けさせるか辞めさせるか(もちろん、本人が辞めたいと言い出した時に。本人がやりたいなら続ければいいのですから)悩むのは実際そこのところの保障がないからでしょう。
意外といる「速いのに水泳を辞めてしまう子」
他の競技と比べてどっちが価値があるとかそういう話がしたいのではないので、誤解しないでほしいのですが、プロ野球選手って少ないと言われても育成枠を入れて900人ほどいるそうです。独立リーグも同じくらいの球団数あるそうなので、単純に倍にはできないでしょうが、千数百人は野球で生計を立てている人がいるわけです。もちろん、独立リーグや育成枠の選手が好待遇とは言い難い環境にあるというのは知っていますが、水泳で「あっ、知ってる!」といえる選手が1,000人いるでしょうか?
わが子の以前のスイミングスクールでも「なんでこんなめちゃくちゃ速いのに辞めちゃうの??」という子が何人も水泳を辞めていきました。まぁ、全員がコーチ由来のモノだったんですが…。ま、それとは別に、トップの間口があまりに狭い、頑張れば頑張るほどに高みが見えて絶望する、そういう闘いも強いられるのも諦めることに拍車をかけているような気もします。
X JAPANのHIDEさんの命日が近いことから最近報道されていた時に知ったのですが、HIDEさんもX JAPANに加入する前に「音楽を辞めて漁師になろう」と決心していた、とそのテレビでは伝えられていました。
畑違いとはいえ、あれだけ音楽の才能がある人でも、何らかの理由があればその才能を捨てて別の道を歩もうとすることがあるわけです。いや、思いとどまってくれてホント良かったですね。
続けられる子=素質のある子?
そうなると、いつまでも諦めずに続けられる子が素質のある子、ということになりますね。
でも、なんとな~く得心がいかない気が。わかります。
それに、同じタイムで週6日練習に通う子と、週2、週3しか来ない子ならば、週2の子が毎日練習に来れば普通に考えれば今より伸びるはずですよね。そういう未知数があるという意味では、週2の子の方が「素質がある」といえます。
一番知りたいのは、低学年のうちから速い子が素質あるよ、とか素質がある子は始めてすぐに記録をグングン縮めるよ、とかそういうことですよね?
低学年のうちからタイムが縮められるのは大きなアドバンテージであることは間違いないですし、競技を始めて短期間で伸びることも同じくです。資格級も少しずつですが、年度更新ごとに基準が上がっていっています。「(期間的に)早く、(タイム的に)速くなる」ことは水泳にとってかなり重要なことだというのは、間違いないと思います。だから、素質があるかどうかといったら、どちらも「素質はある」ことになると思います。
ただ、いくら低学年から始めようが、スタートダッシュが華々しいものであろうが、かならずどこかで頭打ちが訪れます。
来れもしない週2日練習の子が毎日練習に来ることになっ「たら」に賭けるのも意味がない行為です。
つまり素質のある子って
さて、ネットの海の中でコンタクトレンズを見つけるがごとき根気強さでこの日記を見つけた皆様は、素質がある子の体格や内面性の特徴を強いて一つ挙げるなら!をお知りになりたかったことと思いますが、身もふたもない事を言うと
- 幼少期から競泳を始めていて
- 練習も毎日怠けず、自分に厳しく
- 周りから圧力などに屈しない精神力を持ち
- 体格にも恵まれ
- 運動能力にも恵まれた子が
- (期間的な意味で)泳ぎ続けていられること に決まっていると思いませんか?
わが子にも特大ブーメラン返ってくることは重々承知。そんなことわかっている!というお言葉が飛んでくるのも予想できます。
要は、キツイ言い方になるかもしれませんが、自分の子に「全部は揃っていないから」「どれかひとつなら備わっているから」「どれが一番素質がある事に近いの?」ということだと思います。
オリンピック選手でも遅咲きの選手もいるし、小柄な選手もいる、あの北島選手だって練習から距離を置いた時期もあるというし、全部が揃うことはあまりないのかもしれません。
それでも、わが子に素質があるか?を知りたいでしょうか?
何が言いたいかというと「素質があるかどうかが知りたい」ということと、「子供がどこまでやれるか(通用するか)を知りたい」ということは似ているけれど、違うということ。
知りたいのは「どのレベルまで到達できるか?」では?
そして、多くの親は「うちの子は水泳選手としてどこまで通用するのだろうか」ということが知りたいのではないのかな、と思います。
そして、知りたいと思いながら「そんなもんわかれば世話ないわ」と内心、答えがない事も理解しておられる親御さんが大半だと思います。私だって知れるなら知りたい。どのレベルまで通用するかなんて、わかるもんなら人生楽勝です。
なので、私なりに考えた結論としては、他の周りの選手よりも「早く」かつ「速く」なり、あきらめずに水泳という競技を続けることが素質の最低条件なのだと思っています。
「早く」かつ「速く」なる為には、小さいうちから始めることは大きなアドバンテージですし、タイムが縮むペースが早ければそれもまた然りです。
ちなみに、「早く」というのはスタート時期もそうですが、期間的に短い、というのもあると思います。
いずれにしても、あくまでアドバンテージであるだけで、将来を保証されるものではないということだと思います。
おまけ
これは個人的な印象なので根拠は全くないのですが、伸びていく選手には「周りに愛される才能」があるように感じます。生意気なそぶりとかもあるんだけど「魅かれる」「引きつけられる」というカリスマ性だったり、「応援したい」「頑張ってほしい」と思わせるキャラクターだったり。
逆に思っていたほど伸びなかったな…という子は、「なんとなく手放しで応援できない」「なぜか好きになれない」という…実はいました。たくさんの人に「すごいですよね~」と言われている子なのに、周りの人から応援ムードや慕っているという雰囲気が出ない。
選手たちも「うん、良い子だよ」というけど、さほど仲良くしている気配がない。性格が悪い子だとは思わなかったけれど、直観力ともいえるアレはなんだったんだろう。それでも、辞めさえしなければ、もう一花咲かせることだって可能なわけですが。
とはいえ、やっぱり人の応援ってすごい力に変わるのかなぁ。
自分の子では客観視できないでしょうけれど、他のお子さんだとわりと感じるかもしれません。まったく根拠なしですが!
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