育成コースに進んで間もないころ
育成コースに進んでまだ数か月くらいの子のお母さんが、他の選手のお母さんたちの週末の試合を話題にしているのを耳にして、なんとなく落ち着かない様子になったようにみえました。
ふと、わが子が育成コースに入る前にコーチから試合がある事、誰でも出られるものもあるけど、速く泳げる子でないと出られない試合がほとんどなので1年目はあまり出られる試合はないものと思っていて下さい、と言われたのを思い出しました。
後でも書きますが、公認大会には標準記録というタイム設定を上回ることが前提です。速く泳げる子でないと出られない試合、というのはそういう意味だったのですね。
実際のところ、全国大会の予選などでない限りは「ちょっと足りていないけど、この試合で出せるだろうと見越して…」とか練習中の手動のタイムで超せたから、などの数々のパワープレイで出られたりすることもありますが、皆様のスイミングスクールでも同じことができるかはまったく約束できません。
ただ、「なぜうちの子は出られないんですか?」と聞こうにも基準をクリアしているかもわからないから聞くのも勇気が要りますね。聞いて全然ダメダメだったら恥ずかしい…と尻込みする気持ちもわかります。
わが子のスイミングスクールでは、他のお母さんはコーチと言い合いになったり、そこまでいかずともフロントに呼び出してなにやら交渉したりしていてすごいんですが、私は素人考えで意見するのが今でもなんとなく恥ずかしい。ちなみに、コーチに意見など言語道断な体育会系スクールもあるので、その辺は各自通われているスイミングの雰囲気かわ空気読んでください(汗)
話し合ってそれが素人にはわからない事情があってのことと納得出来たり、逆にお母さんのご指摘の通りですね、って向こうが言い分を受け入れてこともあるかもしれない。
私みたいに言わずにモヤモヤするより聞いてスッキリするほうが建設的、と思うけど、なんとなく遠慮してしまうのでした。
だから、試合に出られるはずなのに、出られない、ということがあったときも食い下がったらコーチが単に記録に達していることに気づいていなかったとか、希望するならなんとかして参加させてくれたりしたかもしれない…。
今回は、恥ずかしくてコーチと交渉できないお母さんへ、という気持ちで書いています。聞ける人はガンガン聞いてください。
【おさらい】試合の種類は大きく分けて2つ
水泳の試合、○○水泳競技会とか▲▲水泳記録会とか呼ばれるものは総じて試合と呼ばれているみたいですが、大きく分けて
- 基準がなく誰でも出られる試合と、
- 「標準記録」という基準となるタイムをクリアしないと出られない試合
に分けられます。非公式大会、公式(公認)大会、と読み替えてもだいたい同義だと思います。
育成コースに進んだら、おそらく最初の試合になるであろう試合は地区のBC級大会(地域によってはB級、C級で分かれていることもあるかもしれません)だと思われます。
この大会は他の試合同様に、1種目ごとに参加費がかかるものの、参加費さえ払えば出場可能です。
逆に、標準記録が設けられている試合は日本水泳連盟が記録として認めてくれる公認大会なので、日本水泳連盟への選手登録料が必要となります。覚えていなくてすみません、年間で1,500円か2,000円かかります。
おそらくは「費用の問題」?
参加費は保護者が払うのでたった1種目のために1,000円以上かかる試合もある中、プログラムを買って、さらに年度初め1回だけですが、選手登録をすると競技時間1分かそこらに4~5,000円払うことになります。
もちろん、ほとんどの保護者は「それでもいい!」と思っているでしょうが、コーチ側からはなかなか言いにくいかもしれません。水泳にかかる費用なんて、月会費の他にも、水着代や毎日のドリンク代、大きいものなら合宿代やユニフォーム代いくらでもあります。
ちなみに、泳法上の違反があって失格となり「安くない参加料を払わせて、なぜ失格を取られそうな種目に出させたのか!?」とコーチに噛みついている親御さんを見かけたことがありますので、コーチ側にもリスクがあるのですね…。
「無理して出なくてもいいんじゃないかな…」なんて親切心とリスクヘッジの観点からの判断かもしれません。
次に子供への配慮
公認大会は、「公認記録」になるわけでルールが厳しいのです。
たとえ速くとも、ルールをきっちりと教わっていないとスタート台に上がってから動いたり、ターンの仕方や各泳法の細かい違反、さらにはキャップに指先ほどの飾りタグがあるだけでもスタートまでに対処しなければ違反となり、失格になります。
失格になればもちろんゴールしていても記録にはなりません。失格になっても参加費は当然返ってきません。フライングの時はゴール直後にすぐさま失格がアナウンスされることもあり、1着になっても失格…あれは見ているほうも辛いものです。
先ほども書きましたが、入って数か月の公認大会を避けるのはコーチの「気遣い」である可能性があります。見学した人はわかると思いますが、たくさんの保護者が見学席から溢れて立ち見までして応援しています。めちゃくちゃ緊張すると思います。
もう少し、非公認大会やスイミング内の記録会などレベルに応じた雰囲気も比較的のびのびしたところであと1,2回場数踏んでみては?と思われている可能性もあります。とはいえ、いつまでも公認大会に出ないわけにいかないのでケースバイケースですけれど。
入ってちょっとの大会で、失格になったりしたら気持ちが折れてしまうかもしれません。低学年だったり、まじめすぎる子だったりしたらとくに。まぁ、この子は(メンタル強いので)大丈夫そう、と判断されれば話は違ってくるかもしれません。
なので、このへんのリスクを受け入れられるのであれば、コーチに相談されると良いと思います。って、結局コーチに話さないとあかんやん!心配せずとも記録を突破していたら、半年過ぎた頃からコーチの方からお声掛けがあると思いますよ!!